学生時代、和室の多い場所でアルバイトしていた際の経験です。
その職場では毎日数回、緑茶を飲む習慣がありました。
ある日、昼食時に出た緑茶のお茶がらを生ごみに捨てようとしていると、
年配女性パートの方が「ちょっと待って、今日少し時間があるからそれで掃除しよう」と言うのです。
彼女はそのお茶がらを軽く手で絞ると、いきなり台所の床にまきはじめました。
私はもちろん仰天です。
「な、な、何やってるんですか??」
「あれ、知らない?こうすると床がきれいになるのよ。」
彼女はびっくり顔の私を後ろに残し、今度は和室の畳にむかって、
ばんばんお茶がらをまきました。
そうして私にほうきで掃きとるように言います。
「お茶の中にカテキンって言って、殺菌作用のある成分があるでしょ。
あれが床や畳の上に残るから、のちのち汚れにくくなるの。
お茶がらを掃いて捨てる時に、ほこりも一緒に吸い取ってしまうしね。」
自分でもそのうちやってごらん、と言われて私は頭をかしげてしまいました。
当時はカーペット敷きのマンションに住んでいたし、自宅ではほとんど緑茶も飲まなかったので、
自分にはなかなか縁遠い掃除方法だなあ、と思ったのです。
ですが確かにカテキンの殺菌作用は今やたくさんの人に支持されていますし、
ほのかに香る緑茶の香りがリラックスアロマの役割をも果たすこの方法。
これを発見した昔の人は本当にすごいなあ…
と感心した思い出です。
食料ストック棚も時々お掃除&点検しましょう
台所の中、お掃除が特に大変なのは、
シンクなど「水回り」、そして「火の元周辺」ですね。
それに比べて比較的汚れにくく、さほどの頻度で掃除をする必要の『一見』ない場所が、
冷蔵庫以外の食料ストックの場。
お米、油、それにしょうゆ・酒・酢などの調味料は、
ビンごと常温保存しているご家庭がほとんどではないでしょうか。
また、缶詰などの保存食品、お菓子などのストック場所は、
もう長い事掃除していないけれどさほど汚れる様子もない…
ということがほとんどです。
確かにこういった常温保存のできるもの、
特に日本の保存食品は非常に優秀なパッケージ梱包に守られていますので、
ぜひその保存性を生かして、日々のお料理に有効活用したいものです。
ただ、ひとつだけ心に留めておいていただきたいのは、
いくら優秀でも完璧ではない
、ということ。
私自身の経験なのですが、乾燥した豆・穀物類を「常温で大丈夫だから」と、
未開封で戸棚の奥にしまっておいたところ、ある夏に害虫が知らぬ間に大発生。
一大コロニーを形成していて駆除するのが本当に大変だったことがあります。
こういった残念な事件を防ぐためにも、
保存食と言えど、戸棚や床下収納にも時々気を配って点検することがとても大事です。
買い物をして新しく保存食品を補充する際など、ざっと中を見回して、軽くぼろ布などでひと拭きする、
くらいで十分です。
また、
「新しく補充するものを奥に、古いものは手前に」
とついでに並べ替え整理をすることで、消費サイクルが正常に回って一石二鳥です。